The Hermitage
       

地理

今からおよそ2000万年前、太平洋プレートとインド=オーストラリアプレートの長く激しい衝突が始まりました。その結果、急激に押し上げられた陸地が山脈をなし、世界有数の景観美に恵まれたサザンアルプスが誕生したのです。ニュージーランド南島付近では、地殻の巨大な溝に沿って、太平洋プレートがオーストラリアプレートを押さえ込むようにして乗り上げています。太平洋プレートの縁の部分はその膨大なエネルギーで圧迫されて、今も年間20mmという驚異的な速度で押し上げられています。

ただし、サザンアルプス自体もほぼ同じ速度で風化・侵食されています。今日の雄大な山々も、これまでに現れては消えていった岩塊の量に比べると、そのごく一部が残されたものに過ぎません。風化・侵食によりすでに消えてしまった陸塊の体積は、およそ50万立方キロメートルと推定されています。もし風化も侵食も受けていなかったとすると、サザンアルプスの標高は2万メートルになり、成層圏に達していたことでしょう。

 

2500万年前から1500万年前のニュージーランドはまだ大半が海面下でした。当時すでに海上に姿を現していた部分は、主にトーレッセ・ロックスと呼ばれる硬砂岩でできていました。プレートの衝突が始まると、ニュージーランド側のプレートが押されて、アルパイン断層が形成されました。ハースト・シストと呼ばれる片岩の層は、はるか下にありました。

 

1500万年前頃からはアルパイン断層に沿ってオーストラリアプレートが北上してきたため、トーレッセ・ロックスとゴンドワナ・ロックスが並ぶようになりました。緑泥石片岩が露出されたのはこの頃です。ニュージーランド側のプレートはさらに圧力を受けて厚みを増し、その影響で新たな隆起が生じました。そうして海上に現れたのがサザンアルプスです。

 

500万年前から今日に至るまで、隆起は速度を増し、深い層にあったザクロ石-オリゴクレース片岩も地表に押し上げられてきました。アルパイン断層では、のべ20kmもの隆起があったのです。

 

情報・図表提供:Glen Coates, Geoffrey Cox
参考文献:'The Rise and Fall of the Southern Alps', Canterbury University Press, (2002)
詳しくは www.kahupublishing.co.nzをご覧ください。