The Hermitage
       

動植物

他の地域とは隔絶された独自の環境と厳しい自然は、固有種の動植物の宝庫でもあります。アオラキ・マウントクック国立公園でしか見られない種も少なくありません。国立公園内では低木地とタソックの草原を中心に、750種以上の固有の植物が生育しています。なかでも多いのは、ラナンキュラス(キンポウゲ科)やマウンテンデイジー(キク科ケルミシア)といった高山植物です。有名なマウントクック・リリー Ranunculus lyallii は、キンポウゲの仲間では世界で最も大きな花を咲かせます。銀ブナの森林は開拓時代に大半が焼き払われてしまったため、ごく小規模な林が点在するのみです。

一方、国立公園内で確認されている野鳥は、約40種です。いたずら好きで知られるユニークな鳥ケアは、山岳性のオウムです。ロックレン(イワサザイ)は通年山で暮らす唯一の鳥で、岩場にくぼ地を見つけて越冬します。かなり標高の高い地域でも、時おりケアやハヤブサ、セグロカモメが空高く舞っているのを見ることができます。国立公園のすぐそばを網目状に流れるタスマン川の河川敷には、絶滅危惧種のクロセイタカシギが戻りつつあります。公園内では他にも、大柄なトンボやバッタ、特徴ある蛾や蝶など、たくさんの無脊椎動物が生息しています。サンドフライやブラックアルパインウェタ(通称マウントクックのノミ)といった昆虫は、雪線(万年雪との境界線)より上でも確認されています。